はじめに
ROS Industrialとは、
米国のSouthwest Research Institute (SwRI)が開発を行なっている、
自律ロボット開発用ミドルウェアROSを商用利用するための、
オープンソースライブラリです。
このライブラリは無料で、ソースも公開される
BSDライセンスのソフトウェアです。
下記の動画はROS industrialの一周年記念ビデオです。
ROSに関しては、下記の記事を参考にしてください。
ROS industrialの目的
ROSは現在様々な分野の研究機関で使用されており、
そこで開発された技術とソフトウェアは多岐に渡ります。
ROS industrialはこのようなROSコミュニティで開発された、
先進的な認識技術や、パスプランニング技術を
産業ロボットの分野に応用することを目的にしています。
このような、
すでにROSコミュニティで開発をされたソフトウェアを使用することで、
開発時間とコストを大幅に削減することができます。
ROS Industrialのミッション
- 産業ロボットの研究者や専門家のコミュニティからサポートを得られるようにする。
- 産業ロボットに関するROSソフトウェアの中心として機能するようにする。
- 産業ロボットの要求を満たす、ソフトウェアの安定性と信頼性を持つソフトウェアを提供する。
- ROSによって、これまでの技術をすべて置き換えるのではなく、既存の技術とROSの強みを共存できるようにする。
(例:ROSによる高機能な機能と、安定性と安全性のある既存のコントローラの融合)
- 標準化されたインタフェースによるハードウェア用のソフトウェアの開発を促進する。
- ROSのフレームワークを使用した最新の産業分野の研究結果を簡単に利用できる方式を提供する。
- シンプルで、使いやすく、きちんと文書化されたAPIを提供する。
ROS Industrialを使用するメリット
- ROSの強力な機能を利用できる。
- 6自由度のマニュピレータの独自の逆運動モデル
- 先進的な2D(画像) または、3D(点群情報)認識システム
- 多彩な開発・シミュレーション・可視化ツール群
- 新しい応用システムへの利用
- 環境整備が不必要なシステム:ワークの自己認識のための先進的な認識技術
- 既存のティーチングに基づくパスではなく、先進的な認識技術とモデルに基づくダイナミックパスプランニング
- 認識に基づくパスプランニングとクローズドループのフィードバック技術
- ロボットのタスクレベルのプログラミングの簡素化
- ティーチングに基づくパスプランニングを排除し、衝突せず、最適なパスを自動的に終点から計算するシステム
- 類似したタスクに対する抽象的プログラミングの実現(生産量の少ない商品や、変化の少ない多種類の製品に有用)
- コスト低減
- コミュニティからサポートを得ることができるオープンソースソフトウェア (BSD Licenseによる制限の無い商用利用)
- 複数のプラットフォームで応用可能な共通のロボットとセンサインタフェースとによる、ベンダーの囲い込みの影響の低減
ROS Industrialのソフトウェア
下記のリンクにROS Industrialのインストール方法や
使用方法のチュートリアルなどが書いてあります。
ROS-Industrial Open-Source Software Web page
ROS Industrial Consortium
下記のリンクから 世界中のROS Industrial協会の説明を見ることができます。
アメリカとヨーロッパはすでに協会があるようですが、
アジアはまだ設立中みたいですね。