もし,この本を高校時代に読んでいたら,
今頃,生物学の研究室にいるかもしれません.
それぐらい面白い本でした.
この本を読むとすぐに想起したのは,
サイモン・シンの科学本シリーズです.
こんなにも,数学が美しく,魅力的なものであると感じられる本はあるだろうか?-フェルマーの最終定理・サイモンシン - MY ENIGMA
すべての人に何故今が存在しているのかを教えてくれる:『宇宙創成』サイモン・シン - MY ENIGMA
この本は生物学版サイモン・シンといっていいほどの感覚を得ました.
難しい科学的なことを織り交ぜつつ,
それを事実だけとして,伝えるのではなく,
その事実を囲む人間たちの感情と元に,読者を興奮させる.
そんなことが出来る科学本は,そんなにありません.
自分個人の体験として,高校の時には
生物学を学ぶ楽しみを感じることが出来ませんでしたが,
この本を事前に読んでいたら,もしかしたら,
その考えも変わっていたのではないかと思います.
DNAと遺伝子の違い,
秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならないという生物の理,
そして生物学の進歩のための,長い一歩,
ここまで生物学を楽しんだのは始めてです.
是非,手元に置き,再読したい一冊でした.