はじめに
近年、自動走行車や災害用ロボットなど
より一層ロボット技術の応用が進んでいます。
そのような技術の中で重要な要素の一つは外界認識です。
ロボットの周囲がどのような状況になっていて、
どこがロボットにとって安全で、
どこに移動物体がいるかなどを
ロボットに搭載されているセンサの情報から、
ロボット自身が認識する技術です。
この外界認識を行うためには様々な技術が存在しますが、
同様に重要なのが、”どのようなセンサを使用するか”です。
様々なロボットが存在するのと同様、
様々な外界認識センサが存在しますが、
大きくわけると、3種類に分類できます。
高度な外界認識システムを作成するためには、
それぞれのアルゴリズムを詳しく学ぶことも重要ですが、
同様に、それぞれのセンサの原理と特徴を勉強して、
どのようなセンサをどのように使用するのかが重要になります。
本記事では、それぞれのセンサの原理と特徴を
個人的な勉強用にまとめておきます。
レーザセンサ
レーザセンサは光を使用して
距離を計測するセンサです。
海外では
Light Detection and Ranging: LIDARとも呼ばれます。
基本的には、光を照射し、それが対象物に当たって
返ってきた時間と光速の値を使用して距離を計算します。
単眼カメラ
単眼カメラは、一台のカメラを使って外界認識するセンサです。
他のセンサと比べると、
色や輝度の情報を検出できるため、
主に物体認識用途に利用されます。
一方、他のセンサに比べると
単体で周辺の物体までの距離を計測するのが難しいという問題があったり、
夜や暗闇などでは、観測ができないといった問題があります。
ロボット用のカメラや画像処理に求められること
カメラセンサは、
監視カメラなどすでに様々な用途で利用されていますが、
ロボット用のセンサとして搭載する際には、
下記のような要求を満たす必要があります。
- 様々な照明条件に対応できる高いダイナミックレンジ
- 広い計測範囲
- モーションステレオなどによる三次元計測
- リアルタイム性(高いフレームレート)
- 低コスト
ステレオカメラ
引用: 東京工業大学放射線総合センター准教授 實吉敬二氏:自動運転車はステレオカメラだけで実現できる――「アイサイト」開発者に聞く (2/2) - EE Times Japan
ステレオカメラは、複数のカメラの画像を使って、
周囲の物体までの距離を計測するセンサです。
もう少し具体的に説明すると、
それぞれのカメラの位置や姿勢がわかっている状態で、
その情報と、ある物体の画像上での映る位置の違い(視差)
を使って画面上のある一点(あるピクセルが表している物体)
までの距離を計算することができます。
ステレオカメラの特徴
ステレオカメラの良い所としては、
カメラの解像度やカメラ間の距離(ベースライン)にもよりますが、
近距離において、高精度&高密度の距離情報が得られることです。
この利点を利用して、
比較的近距離で物体の精密な形状を認識したい屋内ロボットなどに利用されています。
また、もう一つの利点として、他のセンサに比べると
センサそのものの値段が比較的安いということです。
なので、スバルにアイサイトのように、
コスト意識の高い商品にも利用されています。
一方、ステレオカメラの問題としては、
長距離の測量には向かないということです。
原理的に、距離の二乗に比例して精度が劣化してしまいます。
また、光の影響などの外乱の影響を受けやすいという問題もあります。
超音波センサ
屋内のロボットでは、超音波センサもよく使用されます。
自動車の自動運転用のセンサとしても、
超音波センサを使用している場合があります。
超音波センサの特徴としては、
・センサとしての値段がレーザセンサやレーダセンサに比べると安い
・非常に近距離を検出できる
・ガラスを検知できる(レーザやカメラでは難しい)
・計測の最大距離が短かったり、解像度や精度が低い
などがあります。