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最強のエンジニアリング会社の作り方を学ぶ『How Google Works』

はじめに

Googleは現在、最も影響力のある企業の一つだと思いますが、

彼らの凄さがどこから来るのかは、多くの人が興味のある対象です。

 

この『How Google Works』は主にGoogleのマネージメント関連の方針を、

Googleの中の人が説明したものです。

 

自分もエンジニアとして働く身として、

かなり参考になる所があり、

最強のエンジニアリング会社の作り方を多少でも知れたと思います。

 

下記の読書メモを読んで興味を持った人や、

第二のGoogleの作り方に興味がある人にはおすすめの一冊です。

読書メモ

ラリーとセルゲイはグーグルをいくつかのシンプルな原則にもとづいて経営していたが、そのうち最も重要なのが「ユーザを中心に考えること」だった。最高のサービスを生み出せば、お金は後からついてくると信じていたのだ。世界最高の検索エンジンさえつくれば大成功は間違いなしと p189

重要なのはユーザ視点ということです。売上はその次と。

その最も有効な方法は既定の事業計画に従うのではなく、優秀なエンジニアをできるだけたくさんかき集め、彼らの邪魔にならないようにすることだと思うようになっていた p250

ここが他の会社と大きく違う気がします。

ここまで採用に力を入れている会社は無いと思います。

経営戦術についてはっきりしていたのは、私たちが二〇世紀に学んだことのほとんどは間違っており、それを根本から見直すべき時期が来ている、ということだけだった p301

経営にも新しい流れが来ているのですね。

伝統的な知識労働者と、ここ十数年私たちが一緒に働いてきたグーグルのエンジニアをはじめとする優秀な人材を比べてみると、後者がまったく違うタイプの労働者であることがわかる。グーグルの社員は特定の任務にしばられていない。会社の情報やコンピューティング能力に自由にアクセスできる。リスクテイクをいとわず、またそうしたリスクをともなう取り組みが失敗したとしても処罰や不利益を受けることはない。職務や組織構造に束縛されることはなく、むしろ自分のアイデアを実行に移すよう奨励されている。納得できないことがあれば、黙ってはいない。退屈しやすく、しょっちゅう職務を変える。多才で、専門性とビジネススキルと創造力を併せ持っている。要するに、少なくとも従来の意味での知識労働者ではないのだ。私たちが「スマート・クリエイティブ」と呼ぶ新種で、インターネットの世紀での成功のカギを握る存在だ p417

つまり、Googleはスマートクリエイティブを集め、

彼らに自由に挑戦させることで、今のGoogleを作っているのです。

自発的だ。指示を与えられるのを待つのではなく、また納得できない指示を与えられたら無視することもある。自らの主体性にもとづいて行動するが、その主体性自体が並みの強さではない p452

日本だと指示を無視したら大変なことになりますね(笑)

完全に信頼できる人にすべてを任せるということが重要なのでしょう。

スマート・クリエイティブのマネジメントがことさら難しい理由もここにある。とくに従来型の経営モデルは通用しない。というのも、このようなタイプの人間に特定のモノの考え方を押しつけようとしてもムダだからだ。特定の考え方を押しつけることができないのであれば、彼らがモノを考える〝環境〟をマネジメントするしかない。それも毎日喜んで出社したくなるような環境をつくるのだ p470

確かにスマート・クリエイティブを部下に持つと大変そうですね。

ですので、彼らが最大限力を発揮できるように環境を作ることが重要なのでしょう。

だからグーグルのオフィスには、たくさんの〝隠れ家〟が用意されている。人目につかないカフェの隅、ミニキッチン、小さな会議室、屋外のテラスや昼寝用ポッドまである。だがひとたび席に戻れば、チームメイトに囲まれていなければならない p748

Googleはアイディアは人との繋がりで作られると考えているようなので、

リモートワーキングなどにはあまり力を入れていないようです。

昼寝用ポッドはいいなー。

一番エライ人〟は、威圧的な態度をとることで主張を通そうとする。責任ある立場に就いたものの、その職務に圧倒されているような状況では、「つべこべ言わずにオレの言うことを聞け!」と言ってしまったほうが簡単だ。必要なのは部下を信頼すること、そして彼らにもっと良いやり方を考えさせる度量と自信を持つことだ p835

これを出来る人は非常に少ないと思います。

だからこそ出来る人を綿密に採用するのでしょう。

「異議を唱える義務」を重視する文化が必要だ。ある考え方に問題があると思った人は、懸念を表明しなければならない p841

日本では会議で意見を言わないことが重要だと思われていますが、

Googleでは異議を唱えることが義務です。

打ち切られ、ウェインは再び家族に会えるようになった。  結局、私たちがとった解決策は、マネジャー全廃というほど過激なものではなかったが、同じくらいシンプルなものだった。「7のルール」がそれである。私たちは過去にも「7のルール」を採用していた企業で働いたことがあるが、そこでは「マネジャーは最大七人しか直属の部下は持てない」という意味だった p876

あまり部下が多いと管理できなくなるので、

Googleでは7人以下しか部下を持てないようです。

多くの人にとって、ワーク(仕事)はライフ(生活)の重要な一部であり、切り離せるものではない。最高の文化とは、おもしろい仕事がありすぎるので、職場でも自宅でも良い意味で働きすぎになるような、そしてそれを可能にするものだ。だからあなたがマネジャーなら「ワーク」の部分をいきいきと、充実したものにする責任がある。従業員が週四〇時間労働を守っているか、目を光らせるのが一番重要な仕事ではない p1015

そうですね。仕事の時間がストレスに直結するわけではないことが重要だと思います。

意味の無い、心に響かない業務の時間がストレスに直結する気がします。

ライバルの動向へのこだわりは、凡庸さへの悪循環につながる p1651

他社の動向ばかり気にしていてもダメだということですね。

たとえば、ソフトウェアエンジニアの採用を検討しているとしよう。あなたの会社のコードはすべてある特定のコンピュータ言語で書かれている。ただ、だからといってその言語に通じた人材を選ぶ必要はない。どの言語を使っているかにかかわらず、一番優秀なエンジニアを採用すべきだ。そうすればJAVAでもC言語でもPython(パイソン)でもGO(ゴー)でも、必要なものをさっさと身に着けるだろう。また求められる言語が変われば(実際、変わるだろう)、誰よりも早く適応するだろう p1957

本当に優秀なエンジニアを雇えば、

その人のこれまでの技術的履歴はあまり関係無いということです。

成績のインフレが進んでいるため「A」評価にはかつての価値はないかもしれないが、学年トップであることにはまだ価値がある p2221

Googleでも学生時代の成績学年トップは重要らしいです。

質を重視するからといって、採用プロセスに必ずしも時間がかかるわけではない。むしろ、ここまで説明してきたグーグルの仕組みは、採用を迅速化するためのものだ。面接時間は三〇分、ひとりの候補者につき最大五回まで。面接官には、面接が終わったらすぐに採用担当者に合格か不合格かを知らせるよう義務づけている p2250

採用プロセスも最大限効率化されているようです。

採用には絶対に侵してはならない黄金律がある。「採用の質を犠牲にしてまで埋めるべきポストはない」だ。速さか質か、という二者択一を迫られる場面は必ず出てくるが、必ず質を選ばなければならない p2258

毎年何人取るといったような考え方はGoogleではしないのでしょう。

しかしインターネットの世紀で最も重要なのは、プロダクトの優位性だ。だから当然、最も手厚い報酬を受け取るべきは、最高のプロダクトやイノベーションの近くにいる人々だ。つまり画期的なプロダクトや機能の開発に貢献した人材には、たとえ駆け出しの平社員であっても莫大な見返りで報いる必要がある。職位や入社年次にかかわらず、ずばぬけた人材にはずばぬけた報酬を払おう。重要なのは、どれだけのインパクトを生み出すかだ p2288

年功序列の真逆ですね。

グーグルの「採用のおきて」 ●自分より優秀で博識な人物を採用せよ。学ぶもののない、あるいは手強いと感じない人物は採用してはならない。 ●プロダクトと企業文化に付加価値をもたらしそうな人物を採用せよ。両方に貢献が見込めない人物は採用してはならない。 ●仕事を成し遂げる人物を採用せよ。問題について考えるだけの人物は採用してはならない。 ●熱意があり、自発的で、情熱的な人物を採用せよ。仕事がほしいだけの人物は採用してはならない。 ●周囲に刺激を与え、協力できる人物を採用せよ。ひとりで仕事をしたがる人物は採用してはならない。 ●チームや会社とともに成長しそうな人物を採用せよ。スキルセットや興味の幅が狭い人物は採用してはならない p2395

Googleの中の人にここまで思わせる人を集めるようにするのであれば、

それはすごい会社ができますね。

統計学は二一世紀を生き抜く武器  統計データほどセクシーなものはない。積極的に使いこなそう。インターネットの世紀で最高に魅力的な仕事には、必ず統計学が必要になる。それは限られたオタクの世界に限らない。ハル・バリアンは「個人にとって間違いのない選択肢は、値下がりしているモノと補完性のある分野で専門性を磨くことだ」と指摘している。データは、それを処理するコンピューティング能力とともに、確実に値下がりしている。私たちはビッグデータの時代に生きている。ビッグデータを理解するには、統計のプロが必要だ。データの民主化は、それを分析できる者が勝者となることを意味している。データは二一世紀の剣であり、それを使いこなせる者がサムライだ。だから戦士たちよ、剣を研げ。統計学を身に着けるのだ p2487

Googleでも統計学が重要だと認識されているようです。

なぜビジネス界にはほとんどコーチがいないのだろう? 経営者は揃いもそろってグーグルに入社したときのエリックのように自信満々で、他の人にもっとうまくやれる方法を教わることなど想像できないのだろうか。そうだとすれば大間違いである。経営者にはコーチが必要だ p3024

コーチとプレイヤーの関係を成功させる第一歩は、教わる側が相手の話を聞き、学ぼうとする意欲を持つことだ。コーチングするのが難しい選手がいるのと同じように、コーチングしづらい経営者もいる。だが最初の抵抗感さえ克服すれば、学ぶべきことは常にあると気づくはずだ。ビジネスコーチを含めて、コーチというのは本質的に教師である。そして世界一のコーチであるビル・キャンベルは、経営は間違いなく学習によって身に着けることのできるスキルだ、と説く p3027

どんなに優秀な人にも、その人を客観的に見るコーチが必要になります。

すべてを共有することを、自分のデフォルトにしてしまおう p3079

仕事をする時は、できるだけ情報を共有するようにするのが重要だとGoogleでは考えているようです。

もう一つ、透明性の具体例といえるのがOKRだ。OKRとは個々の社員の目標(Objectives、達成すべき戦略的目標)と主要な結果(Key Results、その目標の達成度を示す客観的指標)である。すべての社員が四半期ごとに、自らのOKRを更新してイントラネットで公開することになっており、他の同僚がどんな仕事をしているかが簡単にわかる。社内で会った人物がどんな仕事をしているか詳しく知りたいと思ったら、Momaに行ってOKRを見ればいい。単に肩書と仕事内容の羅列ではなく、取り組んでいる仕事、大切に思っている仕事を自分の言葉でまとめたものだ。その社員が何にモチベーションを感じるかを確かめる一番手っ取り早い方法だ p3111

Googleでは、いわゆる各社員の仕事の目標と達成指標のデータも公開されているようです。

仕事に限った話ではないが、何かを人に伝えたいと思ったら、たいてい二〇回は繰り返す必要がある。数回言うだけでは、みんな忙しすぎて、おそらく気づかないだろう。さらに何回か繰り返すと、「あれ、なんか聞こえたかな?」ぐらいに思ってもらえる。一五~二〇回ほど繰り返して、自分ではいい加減うんざりしはじめたころ、ようやく周囲に伝わりはじめる p3240

何かを沢山の人に伝えたい場合は、

何度もうんざりするぐらい繰り返すことが重要です。

単調な職場会議をおもしろくする、簡単な手がある。参加者に出張の報告をさせるのだ p3317

ミーティングの時に出張報告をさせることで、

ミーティングが活性化されるようです。

エリックが大切にしているルールの一つは、経営者の黄金律と言ってもいいだろう。「自分の下で働きたいと思うような上司であれ」 p3333

これも使い古された言葉ですが、

実際に実施することは難しいですよね。

年季の入ったマネジャーはさまざまなスキルを身に着けているもので、その最たるものが年次目標、四半期目標を設定する能力だ。これはかなりの熟練を要する技で、目標を低くしすぎると期末に〝驚異的〟に目標を超過して有能ぶりを誇示しようとしているのが見え見えになる。逆に高くしすぎると、目標が未達に終わるリスクが生じる。難しそうに見えて、じつはたやすく達成できる目標をひねり出す p3889

うまい目標を設定するのは難しいですよね。

そこは経験の積み重ねが重要のようです。

リソースの七〇%をコアビジネスに、二〇%を成長プロダクトに、一〇%を新規プロジェクトに充てるのである p3950

Googleの予算の配分方法はこのようにしているようです。

二〇%ルールの最も重要な成果は、そこから生まれる新プロダクトや新機能ではない。新しい試みに挑戦する経験を通じて、社員が学ぶことだ。たいていの二〇%プロジェクトでは、日常業務では使わないスキルを学び、普段は一緒に仕事をしない同僚と協力する。プロジェクトから目を見張るようなイノベーションが生まれることはめったにないが、携わったスマート・クリエイティブは必ず以前より優秀になる。ウルス・ヘルツルがよく言うように、二〇%ルールほど効果的な社員教育プログラムはないのではないか p4074

20%ルールは革新的なプロダクトを作ることが主目的ではなく、

様々な新しい技術と人脈を使って新しいことに挑戦する

教育的な観点が大きいようです。

イノベーションを生み出すには、良い失敗のしかたを身に着けなければならない。失敗から学ぶのだ。どんな失敗プロジェクトからも、次の試みに役立つような貴重な技術、ユーザ、市場の理解が得られるはずだ。アイデアは潰すのではなく、形を変えよう p4240

Googleのプロダクトでも、消えてしまったものも多いですが、

それを糧にするのを上手くやったおかげて今のGoogleがあるようです。

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今回の記事はこちらのKindle Highlightsツールを使って作成しました。

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参考資料

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