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MyEnigma

とあるエンジニアのブログです。#Robotics #Programing #C++ #Python #MATLAB #Vim #Mathematics #Book #Movie #Traveling #Mac #iPhone

現実とは違う場所にある夢:映画『ソラニン』

Book


今日,数年ぶりに映画館で映画を見てきました.

見てきた映画は宮崎あおいさんが主演している『ソラニン』です.

原作の漫画好きの友達にとても強く勧められて,見に行くことにしました.



結論としては,いい映画だったと思います.

最初から最後まで,まさにモラトリアム映画でした.


ビリー役の桐谷健太はめっちゃカッコ良かったし,

宮崎あおいさんも,とてもかわいかったし,

途中のバンドの演奏シーンも,高校時代を思い出させてくれて,

ライブハウスに行きたくなりましたし,

なんといっても,芽衣子と種田の同棲シーンがとても良く出来ていて,

つい,こちらがニンマリしてしまう感じでした(笑).


自分は原作の漫画を読んだことはなかったのですが,それでも楽しめたと思います.


しかし一方で,これは映画自体の仕上がりとは関係ないのですが,

個人的には,あまり感情移入することは出来ませんでした.

おそらく,これは自分がある意味で大人になったから,

または,完全に大人になりきれていないからだと思います.


もし,この映画を高校時代に見ていたら,かなり感動していた思います.

彼らが生きるモラトリアムの時代と,夢と現実の葛藤,

まさに若い人が最も共感できることであり,これこそ若者の映画だと思います.


またもし,この映画を十年後に見ていたら,これもまた感動していたと思います.

自分が失ったモラトリアムと,若き日の夢,そして現実を生きること

過去を振り返って,若い自分と重ね合わせながらも,

ある意味達観しながら,映画の中の彼らを応援できたと思います.



しかし現在では,残念ながら,少し冷めた自分がいました.

現実と夢に大きな隔たりがあることを知ってしまっているし,

そしてその夢というものも,叶えてしまった時には,

それもつまらない現実になってしまうことも知っています.


「夢を追え!」という人はたいてい,夢を追っていない人で,

夢を追っている人は,

夢を叶えることを断念した人であればまだしも,

夢を叶えた人でさえも,自分の叶えた夢の不自然さに困惑している.


周りの人は夢を追うことを表面上では応援しながらも,

心の奥底では差別し,自分の叶えられなかったことを棚にあげて,卑下している.


そして,最も悲しいことは.

夢は追っている時が最も美しく,

叶えてしまうと,途端に現実に汚されてしまうということです.



学生生活最後の一年に差し掛かった自分としては,

まさに共感という意味では,最適な時期にこの映画を見ることができたにも関わらず,

あまりにも自分の状況に近すぎて,少し現実と重ねあわせ過ぎてしまった気がします.



最後に,この映画を見て,夢を現実について考えていた時に

不意にあるニーチェの言葉を思い出したので,引用したいと思います.

善悪の彼岸

それは,善悪の判断や道徳を完全に超越した場所のことだ.

愛からなされることはすべて,その場所で起きている.

だから,愛の行いは,

一切の価値判断や解釈が及ばないものであるはずだ.


僕らが追いかける夢というものも,この善悪の彼岸に存在する.

しかし,決して私たちが暮らすこの現実は,善悪の彼岸ではない.