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若者に生きる意味の探し方を教える:エヴァンゲリオン12巻

読書メモ

おそらく,初めて自分がヱヴァンゲリヲンに触れたのは,

有名なアニメや映画ではなく,この漫画版の1巻だったと思う.


中学生ぐらいのころ,

すでにエヴァンゲリオンはかなり有名で,周りの友達にもアニメ版を見ていたやつがいたし,

社会現象になるほどのアニメだということも,どこからともなく知っていた.


しかし,今から思い返すと,初めて漫画でエヴァンゲリオンに触れた時には,

そこまでエヴァンゲリオンの世界や物語に熱中したという思い出はない.

かつて,自分が浦沢直樹の『モンスター』や手塚治虫の『ブラック・ジャック』

から受けた衝撃ほどではなかった気がする.


確かに,登場人物が同じ年代だけあって,

もしかしたら,自分が新しいチルドレンとして選ばれるのではないだろうか?(笑)とか

レイやアスカのような魅力的な女の子と仲良くなりたいな,ぐらいは思っていたとは思う(笑).

しかし,それ以上でもそれ以下でもなかった気がするのだ.


また,この漫画版は次回の巻が出るまで普通に数年とかかかるぐらいだから,

おそらく,そこまでエヴァンゲリオンの世界にのめり込めなかったのかもしれない.

だからある意味,自分の青春はエヴァンゲリオンからの影響は少なかったとも言える.



しかし,最近になって,かなりエヴァンゲリオンに魅了されている自分がいる.

特に大学に入った直後はかなり魅了された.

前巻が出た時には,数度,漫画版の全巻を読み直したし,

アニメ版や映画版などを借りに走ったものだった.

また今後も,もし暇ができれば,あたらしい映画版も是非みたいなとも思っている.



しかし,なぜだろうか?

登場人物の年代と全く同じ時期には,あまり魅了されなかったのにも関わらず,

今になって,とても魅了されてしまう理由は?



おそらくそれは,この漫画が

「自分の生きる意味」を問い,

その問に対して,

「悩んでいいんだよ」

「苦しんでいいんだよ」

「最初は他人に甘えてもいいんだよ」

そして,

「すべての人間は誰かに必要とされている」

「すべての人間には生きる意味がある」

「君はひとりではない」

ということを教えてくれるからかもしれない.



ただ,それだけではない.

実際の世界は,ここまで優しくもなく,

そんな,本当に悩んでいる若者が最も言って欲しい一言は言ってはくれない.


また,シンジの周りにいるような人もいない.

皆一人一人がシンジのように生きている.


そして,若者は現実とのギャップを悲しみながらも,

シンジに対するミサトのように,やさしく自分の必要性を教えてくれる人が現れるのを待つことになる.

またはこの漫画を見て,シンジと自分を重ね合せて,自分の必要性を確認するのかもしれない.


そのように,今でいう大学生ぐらいの年代の男子のように,

就職活動や進路を決定する際に

自分の必要性や,自分がなんのために生まれてきたのかを問う人間にとって,

ヱヴァンゲリヲンは一つの道しるべのように感じてしまうのかもしれない.



まさに,シンジが何のためにヱヴァンゲリヲンに乗るのかを常に考えるように,

自分たちも何故働くのかを常に問いながら生きていく.

そして,最後はシンジのように苦しみながらも,

自分がエヴァンゲリオンに乗る(自分が戦う・働く)意味を知ることを夢見て.



「誰かに必要とされたい.」

「生きる意味を知りたい.」

「誰かのために戦いたい.」

そんな素朴な若者の気持ちを,この漫画は追体験させてくれると思う.

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